お子さんを計画している場合は、できることならムシ歯や歯周病治療は妊娠前に済ませておきたいものです。それでも妊娠中にムシ歯が痛くなったりした場合、治療はどうしたらよいのでしょうか。妊娠中の歯科治療について説明いたします。
妊娠したら「歯の健康診断」を受けましょう
昔、「子を産めば歯を失う」などと 言われてきたように、女性の一生の中で 妊娠はお口のトラブルを起こしやすい時期です。「妊娠中は歯の治療を受けないほうがいい」と言う人がいますが、実は妊娠中にこそ 痛みや自覚症状がなくても トラブル予防のケアをすべきなのです。また、虫歯や 歯周病など、必要があれば むしろ安定期に積極的に治療をして、できれば出産までに治療を済ませておいたほうがよい場合もあります。それは、出産後は忙しく育児におわれる、あるいは子供の面倒をみてくれる方がいないなどといった理由から、通院時間が取れずに放置して症状を悪化させてしまう方が多くいらっしゃる為です。妊娠が分かったら 早めに「歯の健康診断」を受けられることをお勧めします。
治療を受けるにあたっての注意
◎ 妊娠中に歯医者さんへ行く場合は、母子手帳を持ってゆきましょう。
◎ 産科の担当医に注意を受けている事があれば、伝えましょう。
◎ 体調が思わしくない場合は、無理せず予約日を変更してください。
◎ 楽な姿勢で治療を受け、辛くなった時は遠慮なく相談してください。
◎ 治療中でもトイレに行きたくなった際は遠慮なくトイレに行きましょう。
安心して治療を受けてください
妊婦の方が、歯の治療を受けられるとき、おなかの赤ちゃんへの影響をとても心配されることと思います。おなかの赤ちゃんに影響を及ぼす要因は、以下の3つです。これらをむやみに怖がるとしっかりと治療が行なえず、痛みや腫れがひどくなりがち。我慢し続けるのも体に良くありません。正しい知識を持つようにしましょう。
(1) 妊婦の治療時期
基本的に妊娠中に一般的な歯科治療を受けてはいけないという時期はありません。 つわりや早産、流産などのリスクを考慮しますと、比較的症状も少なく安定期とされる妊娠中期(5ヶ月から8ヶ月)であれば、ほとんどの方が通常の歯科治療は問題ありません。胎児に影響を及ぼす可能性がある初期や、母体に負担がかかる後期は、緊急を要していないのであれば、応急処置にとどめたほうがよいでしょう。
(2) レントゲンの影響
レントゲンは最小限の使用が前提です。当院では、安全の上にも安全を考え、器官形成期(12週まで)のレントゲン撮影は、原則として行わないようにしています。そうはいっても、妊娠自体に気づいていないなど)レントゲンを撮ってしまうことがあるかもしれませが、歯はお腹から場所が離れているのに加え、鉛のエプロンをして撮影しますのでお腹の赤ちゃんが被ばくする量は限りなくゼロに近いため、心配はありません。
(3) 薬の影響
麻酔
通常の歯科治療で行なう麻酔は、治療する歯の周辺にしか麻酔薬が停滞しない「局所麻酔」です。そのうえ 使用する麻酔薬の量も少量であるため、母子ともに安全に使用できます。(この局所麻酔薬は無痛分娩にも用いられています。)むしろ、痛みを我慢することによるストレスのほうが問題になることがあります。リラックスして麻酔の処置を受けましょう。もちろん、通常より痛みを与えない様に一層配慮して治療を行います。
医薬品添付文書に胎児に対し100パーセント安全と書かれた薬剤は一つもありません。つまり、妊娠中の投与に関する安全性は確立されていないのです。妊娠中の患者様にはできるだけ、投薬をしないようにしています。ただし、痛みがひどく 我慢することが逆にお腹の赤ちゃんに悪い影響を与えることがある等の場合、産婦人科の先生と相談した上で 心配の少ない薬を使います。
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