ホワイトスポットは、エナメル質石灰化不全症や、歯牙フッ素症、初期むし歯などの原因で起こっていると考えられます。
ホワイトニングをすることによって、いずれの原因のホワイトスポットも、白さがより目立つようになってしまいます。また、ホワイトニング前にはあまり目立っていなかったホワイトスポットが、ホワイトニングを行なったことにより、浮き出てめだつようになることもあるため、注意が必要です(ホワイトニング材が付着して白くなる:ホワイトスポットの原因になるようなことはありません)。ホワイトスポットは、ホワイトニングをした直後は、特に白さが強くなりますが、通常は徐々に落ち着いてきます。
ホワイトスポットの色があまり濃くない場合は、オフィスホワイトニングを工夫して行うことで、ホワイトスポットを目立たなくさせることが可能な場合もあります。しかし、この方法はホワイトスポットを除去する方法ではないため、色戻りが起こってくると再びホワイトスポットが目立ってきてしまう可能性があります。
◇◇◇ ホワイトスポットの対処方法 ◇◇◇
◆ 再石灰化を促がす
初期むし歯などの原因で、エナメル質表層に限局した脱灰によるホワイトスポットの場合、Mlペースト(ジーシー)やフッ化物などを長期間使用して 再石灰化させることによって、改善することがあります。
◆ コンポジットレジンによる充填
エナメル質石灰化不全症によるホワイトスポットで、その範囲が比較的小さく、エナメル質の深部まで達している場合、また初期むし歯で深部まで脱灰している場合は、ホワイトスポット部分を削り、コンポジットレジンを詰めて置き換えます。ただし、エナメル質石灰化不全症によるホワイトスポットの治療は、むし歯の治療ではないため、保険適用外になります。
◆ マニキュアによるコート(被覆)
深部まで進行した初期むし歯、深部まで及んでいるエナメル質石灰化不全症の場合、唇側の歯面にマニキュア(ホワイトコート〔クラレノリタケデンタル〕、ビューティコート〔松風〕)でコートすることで改善するため、1日で処置は終わります。ただし、数カ月ごとに再施術が必要になるため、注意が必要です。また、唇側の歯面全面を人工物で覆ってしまうこと、マニキュアの色が薄い場合、ホワイトスポットが透けてしまうなどの欠点があります。
◆ ラミネートベニアなどによる修復
広範囲にわたっているホワイトスポット(初期むし歯やエナメル質形成不全症)を伴う場合、ラミネートベニアによるセラミック修復を行うこともあります。
◆ アイコン
むし歯のエナメル質脱灰層に樹脂を含浸させて固める方法です。比較的新しい方法で、歯を削らずに初期むし歯のホワイトスポットを改善することができます。アイコン治療後はホワイトニング治療ができない(アイコン治療部はホワイトニング効果がでない)為、注意が必要です。
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