バイオフィルム(歯垢:プラーク)の、特徴を教えてください。

プラーク(歯垢)とは、歯の表面についた 白っぽくネバネバした汚れのことです。プラークは 食べカスではなく、細菌の塊です。プラーク1mg中の細菌数は、なんと 約10億個!! といわれています。このプラークの中には、ムシ歯や歯周病の原因となる菌が ひしめいているのです。

最近では、バイオフィルムという考えが 出てきてから、口の中ではプラークが バイオフィルムの一種として とらえられるようになりました。バイオフィルムとは、細菌が 菌体外多糖という物を 作ってたまった 非常に取りにくい細菌の固まりです。台所やお風呂の排水シンクを 掃除しないで放っておくと ヌルヌルとしたものが 表面につきますが、これもバイオフィルムの一種です。歯の表面に へばりついて ネバネバ ヌルヌルした白っぽいもの、つまりプラークは まさに典型的な バイオフィルムなのです。「プラークバイオフィルム」と呼ぶこともあります。

【バイオフィルムの驚くべき特徴】

 (1) 歯にへばりついて落ちにくい
バイオフィルムは、ネバネバ ヌルヌルして 歯や義歯の表面へばりつき、簡単に洗い流すことができない為、留まり続けます。そして、次々と細菌を巻き込んで、スクラムを強化して成熟していきます。成熟したプラーク「バイオフィルム」は、強力に付着しているため、歯ブラシでもなかなか取り除くことができません。

 

 (2) 抗菌薬(化膿止め)が効果的に作用しない!
バイオフィルムはネバネバしており接着面に強固にへばりついています。そのバイオフィルムの中は細菌・バクテリア等の増殖に良い環境・温床になって、抗菌薬(化膿止め)、に対して強い抵抗性をもっています。それは、抗菌薬は浮遊している細菌を殺菌することはできても、スクラムを組んだバイオフィルムの中に浸透して、内部の細菌を十分に殺菌することはできないからです。つまり抗菌薬を使ってもバイオフィルムの殺菌はとても難しいのです。
 歯ブラシでもなかなか取り除くことができません

 

 

バイオフィルムは 歯にへばりついて 簡単に落ちず、抗菌薬を飲むだけで 除菌することや、デンタルリンスで うがいをすることで バイオフィルムを洗い流すことは 出来ないとなると、いったいどうすればいいのかと心配になってしまいますが、大丈夫です。バイオフィルムに対抗する最も効果的な方法は、単に、物理的にスクラムを崩して破壊することなのです。破壊されれば、抗菌剤も効果を発揮します。
バイオフィルムを破壊するためには、まず、ご家庭での毎日の歯みがきです。しかし、歯に強固にへばりついてなかなか落としにくい上に、歯と歯の間や 歯とハグキ(歯肉)の境目の溝などは みがきにくく、十分にバイオフィルムを壊したり、引き剥がしたりすることができません。バイオフィルムは、一部が残っていれば、それを基にまたスクラムを拡大・強化していくのです。そこで、定期的に、歯科医院で徹底的な歯のクリーニング(P.M.T.C.といいます)をしてもらうことが必要になってきます。
               専門家による器具を使ったお口のクリーニング

お口の中のムシ歯菌や歯周病菌を全て取り除くことはできませんが、歯科医院での定期的なP.M.T.C.とご家庭での丁寧な歯みがきをバランスよく両立させれば、効果的にバイオフィルムに対抗でき、ムシ歯や歯周病の予防につながります。
 

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