レントゲンを撮ったら過剰歯が埋まっているといわれました。

歯を形作る原基(歯胚:しはい)が過剰に形成されたり、1個の歯胚が分裂することで、歯が正常な数より多く作られる場合があります。これを過剰歯と呼びます。

まっすぐ歯列内に生えてくる場合もありますが、歯列外に生えてくるものや 正常に生えることができず骨の中に埋まっている埋伏過剰歯(まいふくかじょうし)になるものもあります。症例によっては、逆方向(鼻の方向に歯が向いている)を向いている逆性埋伏過剰歯(ぎゃくせいまいふくかじょうし)と呼ばれるものもあります。大きさ(多くの場合他の歯より明らかに小さい)や形態等から見た目で過剰歯とわかるものが一般的ですが、稀に普通の歯とほぼ同じ形や大きさを持ちどれが過剰歯かわからないこともあり、さまざまです。


8歳男児:中切歯の裏側に2本過剰歯が埋まっています
右側は「逆性埋伏過剰歯」です。

◆ 過剰歯の原因は?
原因ははっきりしていません。人間が進化する過程で徐々に失われてしまった歯が突然再び現れた結果であるという説や、遺伝的要素、外傷によって形成初期の歯胚が分割してしまうなど、さまざまな説があげられています。


◆ 症状の現れ方
女性よりも男性に多くみられます。乳歯では過剰歯ができるのはまれです。永久歯の過剰歯は、それほど稀なものではありません。永久歯の過剰歯が現れる場所として、上あごの前歯の間(正中過剰歯と呼ばれます)、上下の親知らずの後方などに出てくることが比較的多いといわれています。過剰歯があると歯列に乱れが生じやすく、とくに上あごの前歯部に出てくる場合は正中離開(せいちゅうりかい)の原因になります。さらに過剰歯が生える過程で、周囲の歯を圧迫して歯の根を溶かしたり、歯の動揺を大きくしたりすることもあります。
 

◆ 治療の方法
すでに生えている過剰歯は曲がって生えていたり、他の歯を圧迫するなどして歯並びを悪くする原因になっていることが多く、抜歯の対象となります。
口腔内に萌出せずに歯肉や顎骨内にとどまることもありますが、過剰歯が歯槽骨内で存在する位置によっては、永久歯の生え方や歯並びに影響する可能性があります。過剰歯は発見したらすぐに取り除く必要のあるものではありません。歯並びや噛み合せへの影響が認められなければ(永久歯が生えるのに支障がなければ)、経過観察となります。定期的に検査を行って、問題が生じたら対応することになります。自然と生えてくる場合もありますので、過剰歯が生えるのを待って抜歯します。あごの骨の中に一生埋まったまま生えてこないと言う場合もあります。たとえ過剰歯が骨の中にあっても永久歯から離れた場所に埋まっている場合は問題がおきません。

 

   【過剰歯が生えてきた】

     【 症例 1078 】 男児:正中埋伏過剰歯 (過剰歯抜歯 矯正治療)

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     【 症例 3932 】 男児:正中埋伏過剰歯(過剰歯抜歯 経過観察)

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   【現状のまま経過観察】
     【 症例 4067 】 男児:正中埋伏過剰歯 (経過観察)

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     【 症例 4048 】 男児:正中埋伏過剰歯 (経過観察)

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過剰歯の存在によって永久歯が生えにくい(永久歯の生える経路に過剰歯があるとき)や、永久歯の間に大きな隙間ができている(正中離開)場合には、時期をみて(早めに)抜歯することになります。過剰歯を適切な時期に抜歯することにより永久歯の歯並びへの影響を最小限にとどめるためです。

過剰歯を取り除く為には、局所麻酔下にて小手術をして抜歯することになります。麻酔がしっかり効いていれば、痛みはありません。エックス線で永久歯の動き(生え方)や過剰歯の位置や動きなどを定期的に観察して、お子さんの協力性などを見ながら抜歯の時期などを見計らってゆきます。埋伏過剰歯の抜歯で注意が必要な事は、周囲にある永久歯の歯根を傷つけてはいけないということです。永久歯の歯根はまだ完全には形成されていない時期に歯根を傷つけてしまうと、歯根が短く形成されたり歯根吸収が起こる可能性があるため、根が形成中はできるだけ浸襲が少なくなるように充分配慮する必要があります。

 

   【抜歯後 矯正】

     【 症例 2916 】 男児:埋伏過剰歯 (過剰歯抜歯  矯正治療)

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     【 症例 3547 】 男児:正中埋伏過剰歯 (過剰歯抜歯  矯正治療)

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     【 症例 4915 】 男児:埋伏過剰歯 (過剰歯抜歯  矯正治療)

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埋伏過剰歯が存在していた場合、現在、埋伏過剰歯があることによってどんな不都合があるのか、放置することによってどんな障害が起きる事が予想されるのか、現在の年齢で行なう必要が本当にあるのかなどをかかりつけの歯医者さんに充分相談して、処置に臨まれることをお勧めいたします。
 

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