生え変わった永久歯が黄色いような気がします。

◆ 歯の色は、乳歯と比べると永久歯の方が黄色い

歯の色は、永久歯と乳歯を比べると、誰でも永久歯の方が黄色いのです。歯はエナメル質という硬い組織で覆われていますが、エナメル質は無色な半透明をしています。すなわち歯の色はエナメル質そのものの色ではなく、その内側にある黄色味がかった象牙質の色を反映して見えています。黄味具合は、象牙質の厚みによりかわります。ですから、象牙質が厚い永久歯は乳歯に比べて、黄色く見えるのです。特に、乳歯と永久歯が混在しているときは、永久歯の黄味が目立ってそう見えてしまうのでしょう。だんだん生え変わった永久歯が増えてくれば、気にならなくなることが多いようです。 

  
  右:7歳男児 上顎前歯2本下顎前歯4本が永久歯です
    健康的な綺麗な歯の色です。やや永久歯の方が黄色味がかっています


 

 

◆ もちろん、歯の色には個人差があります。

もともとの象牙質とエナメル質の個人差が相まって、生れつきの歯の色の違いとなってあらわれます。黄色味がかった白色から、灰色がかった白色までさまざまです。象牙質は黄色味がかった白色をしていて不透明な組織ですが、エナメル質の透明度によって、歯の色の見え方が違ってきます。エナメル質の透明度は石灰化の程度によって違いがあり、石灰化の弱いエナメル質は透明度が低いため、灰色がかった白い歯に見えます。 一方、十分に石灰化したエナメル質はより透明度が高いため歯の色はやや黄色味がかって見えるのです。ですから、歯の色が黄色いからといって、歯の質が弱いわけではありませんから心配ありません。

 

 

 

また、各人固有の本来の歯の色に 着色・汚れ、またムシ歯などが重なって歯の色に違いが現れます。歯の本来の色から変色する原因は、大きく分けると外因性のものと内因性のものがあります。

 

 

◆ 歯が汚れている為、黄色いことが多い

歯が黄色に見えるのは、歯の汚れが原因であることも多く認められます。汚れには、歯ブラシで丁寧にみがいて、取ることができるものとそうでないものがあります。まずは、歯ブラシで丁寧にみがいてみましょう。歯垢(プラーク)であれば歯ブラシやフロス(糸ようじ)できれいにする事ができます。簡単に取れないものには、茶渋や食べ物の中の色素が表面についている場合と、既に初期の虫歯になっている場合があります。
 

 
      7歳女児 歯が黄色い事を気にして来院されました
     歯垢がべったり付いています。(歯面がツルツルしていません)

 

通常、歯のエナメル質の表面は、唾液が付着してつくられるペリクルという薄い膜で覆われています。このペリクルに、紅茶、緑茶などに含まれるタンニンや食べ物の色素などが、唾液中のカルシウムなどの金属イオンと結びついて固着することによって着色(ステイン)になります。この着色汚れは付いたばかりであれば、歯みがきで落とすことができますが、時間の経過とともに歯に強く固着し落ちにくくなります。毎日の丁寧な歯みがきを心がけて、ステインの固着を予防しましょう。歯ブラシで丁寧にみがいても取れない場合は、かかりつけの歯医者さんにクリーニングしてもらいましょう。 

   
  
10歳男児 歯の表面にステインが固着しています

 

 

 

◆ むし歯

虫歯の初期は歯の表面の白濁です(光沢がなくなってチョークの様な感じに)。更に進行するとその部分の着色(茶色~黒褐色)と同時に歯の表面から破壊されて行きます。放っておくとどんどん色が濃くなるだけでなく、虫歯が更に進行していきます。初期のムシ歯の状態であれば、フッ化物を上手に用いて、毎日の歯の手入れをすることによって進行をくい止めることができます。また歯科医院でフッ素を定期的に塗布することも効果的です。 

    
   16歳男性 炭酸飲料で根元が初期虫歯になってしまいました。
   現在、メンテナンスでチェックしながら進行予防しています。

 

 

 

◆ その他

また歯が生えたときからの変色(先天的)には、妊娠中に母親が飲んだ薬の影響やエナメル質形成不全症など先天的な原因によることが考えられます。後天的にはムシ歯治療などで神経を抜いたり、転んだり、歯を強くぶつけたりすると歯の中の歯髄(神経)が死んで黒くなることがあります。歯科医に相談するとよいでしょう。

 

 

 

◆ 歯が黄色いと感じたら

まずは、歯ブラシで丁寧にみがいてあげましょう。それだけでもかなり歯は明るい感じになりイメージが変わります。それでも取れない汚れであれば、歯科医院でクリーニングしてもらいましょう。

    
   10分程度のクリーニングだけでも、明るい感じになります

歯の内部から変色している場合は磨いても白くなりません。そのような場合は、ホワイトニングで歯の漂白をおこなったり、歯を削ってその部分を人工のもので置き換えることで、白くきれいにすることができます。

 

 

これから、生え変りが進み 成長期咬み合せがきまっていない成長期に被せ物をしたりするのは、お勧めできません。18歳未満の子供へのホワイトニングは適応症ではありません。この時期に大切なことは、ムシ歯のない健康的なお口を作る事です。お口の中のクリーニングで健康的な歯の白さを保ち、積極的に歯の色を改善するのはお子様のお口が完成してからが好ましいと考えております。いずれにせよ、状況に応じてかかりつけの歯医者さんに相談するとよいでしょう。
 

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