【 4519 】 10歳男児:ブランコで転倒 亜脱臼(固定して経過観察)
4519 静岡市葵区岳美 男児
・上顎の左右中切歯、下顎の左右中切歯の亜脱臼
・正中埋伏過剰歯の存在
・上顎の左右乳犬歯の早期脱落
【 10歳 】
初来院 「転んで歯を打ってしまい、揺れて痛くてご飯が食べられない」と来院されました。
学校のブランコで立ちこぎをしていて 飛び降りた時に、バランスをくずして転んでしまったそうです。下口唇に裂傷ができて 腫れています。傷口から 砂などの異物が入り込んでいませんでした。
歯の位置がずれている様子はありません。ただ、上顎の左右中切歯、下顎の左右中切歯の揺れが強く、歯に触れると痛みを感じています。
その時のレントゲン写真です。歯、歯根の割れは認められません。歯槽骨の骨折は確認されず、大きな問題はありません。
上顎に正中埋伏過剰歯が存在しています(矢印)。
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切れててしまった下唇は、傷は浅く 消毒をしてこのまま経過観察していただきました。歯根の割れや歯槽骨の骨折はみられず、歯が抜けかかっている為揺れていることが予想されます。揺れている上下の左右中切歯は、歯根膜が損傷して歯がゆるんで抜けかかっているため、しばらくの間 両隣の側切歯と固定しまし た。固定は歯に沿わせた針金を接着剤で留めてあります。固定したあとは、食事も問題なく取れるようになりましたが、しばらくは使わないように 安静にするようにお願いしました。
固定は2週間後にはずしました。固定をはずした時には、痛みや揺れなどの心配な症状は改善していま した。強い外傷により、歯の神経に影響が出る可能性がありますので、もうしばらく経過観察します。
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