【 1489 】 女児:右下第一小臼歯の先天欠如(乳歯抜歯して経過観察)
1489 静岡市葵区沓谷 女児
・下顎の右下の第一乳臼歯(D)の失活歯(神経が無い)
・下顎の右下の第一乳臼歯(D)に乳歯冠(乳歯の銀歯)
・はえかわりの下顎の右下第一小臼歯(4)の先天欠如
・矯正治療は考えていない。
【 9歳 】
初来院 左下の銀歯の痛みを訴えて来院されました。
右下の第一乳臼歯 (矢印)は、歯髄を失って 乳歯冠(銀歯)が被せてあります。生えかけの右下の犬歯の影響で、右下の第一乳臼歯 (矢印)の歯根の支えの骨が吸収されていることにより、痛みを感じていることが疑われます。右下の第一乳臼歯 (矢印)の生え変わり永久歯である 右下の第一小臼歯(D)が先天欠如しています。右下の第一乳臼歯 (矢印)は治療困難で、を先天欠如している永久歯の代わりに一生使い続けることが困難なことが予想されます。このままですと、足りない永久歯の影響で隙間ができたり、永久歯が傾いてしまったり、歯並びが悪くなることが予想される為、そこで、バランスよい噛み合わせの構築のために矯正治療をお勧めしました。しかし、矯正治療は選択されませんでした。歯並びの悪化の影響を少なくするために、右下の第一乳臼歯 (矢印)はに一生使い続けることが困難なため、早めに抜歯しました。
関連ページ:Q&A 「先天欠如」について教えてください
【 11歳 】
11歳の定期健診来院時です。
矢印は第一乳臼歯を抜歯した隙間です。ずれて生えてきた右下の犬歯が修正されてきました。
【 12歳 】
12歳の定期健診来院時です。
だんだん、右下の第一乳臼歯抜歯後の隙間 (矢印)は狭くなってきました。
【 18歳 】
18歳の定期健診来院時です。
右下の第一乳臼歯抜歯後の隙間 (矢印)はまだ少し残っています。
このあと、患者さんは県外の大学に進学されたため、しばらくの間来院されませんでした。
【 24歳 】
県外で就職したのですが、静岡にまた戻ることになり定期ケアを希望されて来院しました。
右下の第一乳臼歯抜歯後の隙間 (矢印)はほとんどなくなりました。その影響で上顎の第二大臼歯(上顎の一番奥の歯)の噛み合う下顎の第二大臼歯(下顎の一番奥の歯)が前にずれたため、噛み合わなくなっていました。
レントゲン写真では、先天欠如している右下第一小臼歯の後の歯(第二小臼歯・第一大臼歯・第二大臼歯)が手前に傾いています。歯が傾いて隙間が無くなったことがわかります。その影響で噛み合わなくかった上顎の第二大臼歯が、挺出して下に下がっています。
上顎の第二大臼歯を守るために、噛ませる為の治療方法も検討しましたが、コンサルティングの結果上顎は第一大臼歯までの噛みあわせを今後維持管理してゆくことになりました。
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