【 3507 】 女児:左上、左下の第二小臼歯の先天欠如(乳歯根の吸収)
3507 静岡市葵区千代田 女児
・乳歯列には 先天欠損がみられない
・初来院時は乳前歯が反対咬合(うけ口)
・はえかわりの永久歯の左上小臼歯(4)左下顎第二小臼歯(5)が先天欠如
・左上犬歯(3)萌出中に左上第一乳臼歯が脱落
・左下第一小臼歯の影響で左下第二乳臼歯の近心根が異常吸収
・矯正治療は考えていない。
【3歳 】
初来院
「仕上げ磨きをやらせてくれない」ことを主訴に来院されました。仕上げ磨きの方法に問題があったため、歯磨きが嫌いにならないように正しい仕上げ磨きの方法を練習しました。
乳歯に先天欠損はみられません。乳前歯が反対咬合がみられましたが、噛み合わせが浅い為、自然に治ることを期待して乳歯の調整を行い経過観察しました。
【 4歳 】
乳前歯の反対咬合は、矯正治療をすることなくかみ合わせの調整で修正されました。
【 7歳 】
「左下の乳歯が揺れて痛がっている」と来院されました。乳犬歯が生え変わり時期です。
レントゲン写真で確認すると左上第一小臼歯(4)と、下顎第二小臼歯(5)の歯胚が認められず先天欠如しています(矢印)。左上乳犬歯は本来の生え変わり以前に抜けてしまい(左上乳側切歯の生え変わりの時に一緒に抜けてしまった)、左上犬歯は左上第一乳臼歯と生え変わりそうです。正常な生え変わり、きれいな歯列を導くことが困難で、将来の歯並びに不安があり、矯正することをお勧めしました。しかし、母親も同じように先天欠如があるものの困っていないという理由では行わず現状のままタイミングよく生え変わりを導くことになりました。
[母親のお口]:左上小臼歯と左下第一小臼歯が先天欠如
関連ページ:Q&A 「先天欠如」について教えてください
【 8歳 】
「左上に永久歯がずれてはえてきた」と来院されました(矢印)。
左上犬歯がずれて 左上第一乳臼歯の下からはえてきています。
左下をレントゲン写真で確認すると、左下第一乳臼歯(矢印)の近心根が異常吸収していました。
【 9歳 】
レントゲン写真で確認すると、左下第一小臼歯が後ろに傾斜して生えてきて、第二乳臼歯の歯根を吸収してしまう危険があります。第二乳臼歯は生え変わりの永久歯が無いため、大人になっても永久歯の代わりとして使用する予定の歯です。抜け落ちてしまうと、広い隙間が残ってしまいます。そのため、第一乳臼歯(矢印)を早めに抜歯しました。
【 10歳 】
第一小臼歯は修正して生えてきました(矢印)。レントゲン写真で第二乳臼歯の近心根がはっきりしないため、歯根吸収をおこしている可能性もあり注意深く見守ってゆく必要があります。
【 13歳 】
永久歯の代わりに使い続ける予定だった、左上の第二乳臼歯が抜けてしまった影響で、左上に隙間があります。また、同影響で上の歯の中心も左側にずれてしまいました。左下の第二乳臼歯は、抜けずに残すことができました。