インレー（部分的な詰め物）のむし歯の治し方について教えてください。
◆ インレー （Inlay） とは
虫歯を削り取った部分の型をとって、模型の上で製作した詰め物をインレーといいます。歯の中に詰め物をはめ込む構造をしています。インレーの素材には、金属で作られたもの、レジンといわれるプラスチックで作られたもの、セラミックで作られたものなど種々のものがあります。 使用するテクニック・素材によっては、保険の適応するもの、適応外のものに分けられます。
◆ インレー治療の流れ
・ １日目
むし歯をとって、歯の形を整えます（形成）
型取りをした後に、石膏模型が作成されます
その模型の上で歯科技工士が、詰め物（インレー）を作製します。石膏模型作成からインレー完成まで、１週間程度かかります。
・２日目
歯科医師がお口の中で詰め物（インレー）かみ合せの調整のうえ、歯科用接着剤で合着して治療は完了します。
◆ インレーの種類
【 形態 】
・Ⅰ級インレー：咬み合う面だけに詰めたもの
・Ⅱ級インレー：隣の歯と接触する部分も削って詰めたもの
【 素材 】
金属で作られたもの、コンポジットレジンといわれるプラスチックで作られたもの、セラミックで作られたものなどがあります。素材によっては、保険の適応外になるものもあります。
保険に適応する素材
◎ メタルインレー
：金・銀・銅・パラジウム等からなる合金
：歯科用硬質レジン（プラスチック）
自費の素材
◎ セラミックインレー （イーマックスインレー）
：セラミック素材（新しいタイプのセラミック素材）
：セラミック（陶器）とレジン（プラスチック）を混ぜた材料
◎ ゴールドインレー
：金・銀・銅・プラチナ等からなる合金
◆ インレーの選び方
【 見た目 】
１位 セラミックインレー
・ ほとんど変色しない。最も天然の歯に似ている
２位 ハイブリッドセラミックインレー
・ 多少変色する。色調はセラミックより劣る
３位 コンポジットレジンインレー
・ 変色する 色調劣る
４位 ゴールドインレー
・ 金色。(白金加金はほぼ銀色)
５位 メタルインレー
・ 銀色（時間の経過で黒くさびてくる）
【 長持ち ： 耐久性 】
１位 ゴールドインレー
・ 最も適合が良く、壊れない材料
２位 セラミックインレー
・ 安定的な材質ですが、まれに欠けることがあります
３位 メタルインレー
・ 強度はあるが、経年的に錆びて腐食する
４位 ハイブリッドセラミックインレー
・ 力がかかる場所に使うと 欠けることがある
５位 コンポジットレジンインレー
・ 壊れやすく、力がかかる場所には不向き
※金が最も適合が良く長持ちする材料だということは証明されています。長持ちに関しては、日進月歩で新しい素材が開発されているのに加えて、歯科医のテクニックや その後のメインテナンスが非常に大きく関わってくるので、必ずしも上記のようになるとは限りません。
【 治療費 】
１位 コンポジットレジンインレー ： 保険治療
２位 メタルインレー ： 保険治療
３位 ハイブリッドセラミックインレー
４位 ゴールドインレー
５位 セラミックインレー
インレーには保険が適用されるもの、されないものでいくつか素材の種類が用意されています。見た目を重視するのか、長持ちを重視するのかにより 選択が変わってきます。どの素材も一長一短なため、絶対的にどれかをおススメすることは難しいのですが、審美治療と言う観点から口の中を白く綺麗にしたいと思う場合は、やはり白い素材のセラミックやハイブリッドをお勧めします。噛み合わせや、習慣などの患者さん個々の状況によって不向きな場合もあります。特に歯ぎしりをする場合や、かみ合わせが強い場合には、金属のインレーやジルコニアセラミックインレーを選択することもできます。
銀歯を白くしたいなど悩みがありましたら、お気軽にご相談いただければ、患者さんごとにあった治療方法をご提案させていただきます。
