ノンクラスプデンチャー(バネの無い入れ歯)について教えてください。
~ 入れ歯の見た目でお悩みの方へ ~
部分入れ歯に対する悩みの中で、やはり「見た目」が気にされている方が多くいらっしゃいます。それによって話しづらくなってしまうことや人前で笑いにくくなることなど、入れ歯を使用することに対して抵抗を感じる方を多く見受けられます。このような、入れ歯の見た目で気にされていた方にお勧めの「部分入れ歯」が、ノンクラスプデンチャーです。
◆ノンクラスプデンチャーとは ・・・
従来の入れ歯(義歯)では、入れ歯を支えるために残っている歯に金属のバネ(クラスプ)をかけて入れ歯を持たせているのですが、その金属のバネ(クラスプ)の代わりに、プラスチック製の義歯床で支える入れ歯(義歯)のことをノンクラスプデンチャー(バネの無い入れ歯)と言います。ノンクラスプデンチャーは保険診療の入れ歯と異なり、金具(金属のバネ)を使用しないため パッと見ただけでは入れ歯を装着しているかどうかわからないほど天然歯に上手く溶け込みます。
1956年にアメリカで開発されて以来50年以上の実績があり、95か国以上で認められている方法です。
保険の義歯は金属のバネを使用します
ノンクラスプデンチャーは金属のバネがありません
◆ノンクラスプデンチャーの適応症
* 金属の金具が見えて気になる方
* 健康な歯を削りたくない方
・ ブリッジで治す場合は歯を削る必要があります
* インプラントによる修復が困難な方
・ 手術が怖い方、十分な骨量が無い方、金額的にもっと抑えたい方
* 金属アレルギーの方
◆ノンクラスプデンチャーのメリット
* 審美的
・バネ(金属クラスプ)が無いので、入れ歯だと気付かれにくい
・透明感がある樹脂を使用している為、入れ歯を入れていることが分かりにくい
* 快適
・義歯の厚みがかなり薄くできる
・軽量で装着感が良好、従来の義歯の2分の1の重さ
・硬くないため心地よく装着適合がよく、装着時のフィット感も良好
* 安全
・健康な歯を削る必要がない
・金属のバネがないので、残っている歯に負担をかけない
・金属アレルギー体質の方にも安心
* 壊れにくい
・弾性があり、割れたり折れたりしにくい
◆ノンクラスプデンチャーのデメリット
* 保険適応ではない
* 歯の残り方によっては作製が困難
・ 総入れ歯(歯が全部ない人)場合は適応でない
・ 残っている歯が少ない場合は適応でない(最低でも3~4歯必要)
* 残っている歯の状態によっては作製が困難
・ アンダーカットが少ない)場合は適応でない
* 修理や調整が難しい(使用する素材による)
・ 歯科医院でお預かりしての修理、調整が必要(状態によっては作り直し)
・ 歯茎が痩せて合わなくなった時の入れ歯の裏打ちが困難
* 義歯素材の寿命が短い
・2~3年ほどで新しいものを作り直しが必要になることがある
* 手入れに注意が必要
・特殊な樹脂で出来ている為、義歯洗浄剤(塩素系・漂白系)で変質・破損の恐れがある
・素材によって、汚れが付きやすい
◆ノンクラスプデンチャーの作製手順
* インフォームドコンセント
治療内容や治療効果・危険性・費用等の同意をいただけましたら施術
* お口の中の診査
必要に応じてレントゲン診査も行います。先に残っているご自身の歯の虫歯や歯周病治療が必要な場合は、入れ歯を作る前に治療します
1回目: 型取り
2回目: 噛み合わせの確認(1回目から約3、4日後)
3回目: 歯並び等の確認(2回目から約1週間後)
4回目: 完成(3回目から約2週間後)
* 完成後、調整等で何回か通院していただくことがあります。
* 長くご使用いただくために、完成後は3ヶ月ごとのチェック・調整をお勧めしています。
◆ノンクラスプデンチャーのお手入れ方法
* 食後に、柔らかい義歯用歯ブラシ(通常の歯ブラシでも良い)で十分汚れを落とす
* 中性洗剤を使用し、歯ブラシ等で洗浄されると効果的です。
* 義歯専用の洗浄剤は義歯が劣化する可能性があるので、ご注意下さい
* 使用しない時は、水の中に入れて保管