ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングをどのように使い分けますか。
◆料金
オフィスホワイトニングは白くしたい歯の本数や希望の白さ(ホワイトニングを行う回数)によって料金は変わってきますが、一般的に白くなるまでの料金はホームホワイトニングのほうが費用が安く済みます。
また、ホワイトニング後、時間の経過とともに歯の色が再び悪くなってきた場合、ホームホワイトニングは、最初に作ったマウストレーが使えるかぎり、薬剤代だけで再びホワイトニングができます。オフィスホワイトニングは再びオフィスホワイトニングを行う場合ホワイトニング代がかかります。長期的にみてもホームホワイトニングのほうが費用は安くなります。
費用と効果のバランスを考えて、初回はオフィスホワイトニングを行い、次からは、ホームホワイトニングでケアしていく方も多くいらっしゃいます。
◆時間
日本で認可されている「ホームホワイトニング」は、10%過酸化尿素(過酸化水素換算で約3.6%)です。一方、オフィスホワイトニングはその約10倍の濃度の過酸化水素を使用しています。海外では日本で使われている薬剤よりも高濃度のホームホワイトニング材もありますが、それでもホームホワイトニングのホワイトニング効果は、オフィスホワイトニングに比べるとマイルド(ゆっくり)ですので、時間的に余裕のない場合は、オフィスホワイトニングのほうがよいでしょう。とくに結婚式や面接など期限が決まっている場合は、計画をもって行なうようにしないと、間に合わなくなってしまいますので注意が必要です。
◆生活習慣
ホームホワイトニングは、歯科医院でホワイトニング用のマウストレーを作製した後は、ホワイトニングのたびに歯科医院に通う必要がなく、患者さんが自宅で好きなときに自分のペースで歯を白くできますので、なかなか日中に歯科医院に通えない人や忙しい患者さんには最適な方法です。
ただし、このマウストレーは、1日2~4時間程度装着する必要があるため、装着する時間がとれない患者さんは、オフィスホワイトニングのほうがよいでしょう。
◆患者さんの性格
ホームホワイトニングはホワイトニング効果がゆっくりであるため、白くなるまでに時間がかかってしまいます。そのため、もどかしく思う方もいらっしゃいます。また、すべてを自分で行わなければならないことを、面倒だと思う方もいらっしゃいます。そのため、患者さんによっては中断してしまう方も少なくありません。ホームホワイトニングは、時間がかかることを十分に理解しておく必要があります。
◆歯の変色の原因(程度)
テトラサイクリン歯(幼少期に飲んだ抗生物質が原因で象牙質が変色している歯)や、歯の変色がかなり濃い症例は、ホームホワイトニングで長時間ホワイトニングを行わないと、難しい場合があります。縞模様のある歯やとくに歯頸部の着色は白くなりにくいため、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用したデュアルホワイトニングを検討します。
◆歯の状態
【 歯列不正 】
特にに犬歯唇側転位などマウストレーの装着が困難な場合は、ホームホワイトニングを行えませんので、オフィスホワイトニングが選択されます。また、嘔吐反射が激しい方でマウスピースをはめていられない場合もホームホワイトニングは難しくなります。
【 知覚過敏 】
オフィスホワイトニング、ホームホワイトニングともに知覚過敏の症状がでる可能性があります。一般的にはオフィスホワイトニングのほうが高濃度の薬剤を使用するため、知覚過敏が出やすいといわれていますが、下顎の切端部が咬耗していたり、歯頸部に楔状欠損があったりする場合、この部分にジェルが付着すると、低濃度の薬剤でもしみてしまいます。ホームホワイトニングの場合、これら象牙質が露出している部分をガードできないため、オフィスホワイトニングのほうがしみない場合があります。
◆全身状態
全身状態によっても、使い分けが必要な場合があります。光過敏症、膠原病、ペースメーカーを使用している方などは、ホームホワイトニングの方がよい場合があります。逆に、少量でも薬剤を誤飲してしまうと問題がある患者さんは、オフィスホワイトニングの方がよいでしょう。
上記のような特別な状況でない場合は、できればオフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせた「デュアルホワイトニング」を行うほうがよいでしょう。あらかじめオフィスホワイトニングを数回行うことで、早く白くなり、次に行うホームホワイトニングの期間も短くすることができます。