歯の「内部吸収」について教えてください。
◆歯の内部吸収とは
歯の内部にある歯髄(神経が通っている管)側から象牙質が 壊されて歯質が薄くなってしまうことを呼びます。乳歯が打撲などの外傷が引き金となり、内部吸収を起こして歯が薄皮一枚になってしまい、内側の組織が透けて見える為ピンク色に変わってしまうことを時々経験します。非常にまれですが、永久歯でもエックス線写真で歯根の内部吸収や歯冠の一部がピンク色に変化(ピンクスポット)が認められることがあります。
◆内部吸収の症状
無症状で進行、経過することがほとんどで、歯の色が変ってきたり、たまたま撮影したエックス線写真で気づくことが多いです。
◆内部吸収の原因
歯根の内部吸収は原因不明な場合が多く、生活歯髄切断の治療経過が良くなかった時や外傷を受けた歯にみられることがあります。また、乳歯の生え変りが近くなってきた時の歯根や生え変り時期にも歯冠の内部吸収を起こしていることがあります。
◆内部吸収の処置
早い段階で吸収の程度が少なければ、抜髄(神経部分を除去)して内部吸収の進行抑制して歯を残すことができますが、吸収してしまった歯質は元に戻すことができません。内部吸収が進行すると手遅れになり抜歯せざるおえなくなってしまいます。
【治療症例】 乳歯の内部吸収
【 症例4750 】 5歳女児:乳歯の内部吸収 生え変わり時期前に抜けた(ディスタルシュー:補隙)
【 症例4232 】 5歳女児:乳中切歯の内部吸収 生え変わり時期前に抜けた(観察)