指しゃぶりについて教えてください。
赤ちゃんが指をしゃぶる姿は、ほほえましく可愛いものです。しかし、成長が進んできても 指しゃぶりが続いている、注意してもなかなか止める気配がない。吸いかたがひどくて指に「たこ」ができて形が、おかしくなっている。などなど、お子様の指しゃぶりについてお困りの方は、多くいらっしゃいます。 指しゃぶりは放っておいても自分で止めて治る場合がほとんどですが、このように 簡単にはいかない子供もいます。
◆指しゃぶりの原因
生後1歳くらいまでの指しゃぶりは、本能による生理的なもので、ほとんど害がなく、気持ちを落ちつけたり、周囲のものを確認したりしている行為なので気にする必要はありません。大きくなってからも残っている指しゃぶりの原因は親子関係や家庭環境などにより、子どもに指しゃぶりが現われることもありますが、ほとんどの場合、それほど大げさなものではなく、幼児期の頑固な指しゃぶりが単なる癖として残っているケースだと思われます。
◆指しゃぶりのしすぎのサイン
指しゃぶりをしていると少なからず何かしら色々なところに影響が出てきます。長い時間指しゃぶりを続けていると、前歯の歯並びがかみ合わさらないばかりか、上あごの骨の形自体も変形して、前歯にちょうど指が入る形の大きな隙間ができてしまいます。また、しゃぶる指にタコができて硬くなっていたり、爪が変形していたりする場合は、それだけ指しゃぶりの時間が長かったり 吸う力が強かったりすることを示していますので、注意が必要です。
指しゃぶりにより、嚙み合せの異常が大きくなり 上下の歯の間に隙間があいてくると、その隙間に舌を押し込んだり、飲み込むときに舌で歯を強く押し出すような癖が出やすくなる。このような癖を「舌癖」といいます。舌癖のある子供は話をするときに前歯の隙間に舌が入るため、サ行、タ行、ナ行、ラ行などが舌足らずな発音となることがある。また、耳鼻科的な問題がないにもかかわらず 口呼吸をしやすくなってしまいます。
>>指しゃぶりをしていると、どのような悪影響があるのでしょうか?
(嚙み合せの異常・機能の異常)
◆指しゃぶりへの対応
1歳半ごろから、積み木などのおもちゃで、手をつかって遊び始めますが、それに伴い、指を唇から離し始め、2歳半ごろには、一般的に指しゃぶりをやめてきます。ですから、1歳までの指しゃぶりは全く心配する必要はありません。2~3歳くらいになっても短い時間や寝ている時だけ指しゃぶりをするくらいであれば、あまり心配しなくていいでしょう。しかし、個人差もありますが、3歳を過ぎても 長い時間指しゃぶりをしているようなら、癖になってしまっている可能性があります。指しゃぶりを止めるためにまず必要なのは、本人が自覚して止めようとする気持ちです。その意味で、止める時期としては早く物事が理解できるような年齢(3歳位)になってからが、適当と考えています。
乳歯期の指しゃぶりで少々前歯が噛みあわさない状態(開咬)になっていても、永久歯で必ず不正咬合になるわけではありません。前歯の生え変わる時期(6歳ごろ)を過ぎても指しゃぶりが続いていると、歯並びやアゴの形に影響する可能性が高いため、小学生になる頃までにはやめた方がよいでしょう。特に吸う力が強い子供に対しては、出来るだけ4歳までに止めさせたいところです。
小学生になって、指しゃぶりの癖がなおらないようだと、歯並びだけでなく、成長にも多少 悪影響を及ぼすことが考えられる為、積極的に指しゃぶりをやめるように導いてゆく必要があります。