ホームホワイトニングについて。
歯のホワイトニングとは、歯質を切削せずに化学的に歯を白くすることです。化学的な薬剤の作用によって、歯の色は黄色みや赤みが少なくなり、同時に明るさが増して、白く明るい歯になります。
ホワイトニングには、診療室で行うオフィスホワイトニングと、患者さんが自宅で行うホームホワイトニングの2種類があります。
◆ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、歯科医院で型取りをして作成したオーダーメイドのマウスピースに薬剤(ホワイトニングジェル)を入れて、1日2時間ほど装着するだけの非常に簡単なホワイトニング方法です。患者さん自身が好きな時間に好きな場所で実施できます。チェア一夕イムが短いので、体が痛いなどの不快なことも少ないように感じます。自宅で空いた時間にできるので、生活リズムを崩さずに患者さんが正確な使用方法でコツコツと取り組めば、高い効果が望めますし、一度ホワイトニングトレーを製作すれば、ホームホワイトニング材の追加購入のみでいつでもホワイトニングができるので、経済的負担は少なく、手軽にホワイトニングができます。
◆ホームホワイトニングに適していない方
ホームホワイトニングは安心して使用できるお手軽な方法ですが、その中でも行ってはいけない方、注意が必要な方も存在します。
* 虫歯がある・冠、詰物に隙間ができている
必ず虫歯の治療を行ってからになります。または、ホワイトニング前に詰め直しを行う必要があります。
* 歯周病の方
優先すべき順番は、歯を長持ちさせるための歯周病の治療です。
*知覚過敏がある方
症状を悪化させてしまう懸念(ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングに比べてしみにくい)
* 妊娠中の方や授乳中の方
胎児や乳児への安全性への配慮
*18歳未満の方
薬剤が直接害となることはありませんが、歯の成長過程にあるため、影響が全くないとも言えない
*歯並びが極端に悪い方
マウスピースを装着できない場合は、ホワイトニングできません
*テトラサイクリン歯 (薬剤の影響で歯の色がグレーになっている)
歯の形成時に色素が沈着してしまっているため、効果を実感しにくい
*白い斑点(ホワイトスポット)は目立つようになる
エナメル質が何らかの原因で石灰化ができていない為、ホワイトニングによって白い色がより白くなる
*差し歯・詰め物は白くなりません。
白くしたい場合は、詰物や被せ物を作り直して改善する必要があります
*神経を失って変色してしまった歯
別途、ウオーキングブリーチ・インターナルホワイトニングが必要になります
*歯ぎしりをする方、かみしめ癖がある方は注意
マウスピースに穴が開いてしまうと、薬剤が漏れて作り直す必要
◆処置の流れ
=== 最初に歯医者で行う手順 ===
① お口の中全体をチェック
・ ホワイトニングについてのカウンセリング
② レントゲンで虫歯がないか確認
ホワイトニング前に虫歯の治療を終わらせる
③ お口の中をクリーニング
歯の表面についた着色や歯石を取り除く
④ お口の中の写真を撮影
ホワイトニング前の色を確認・記録します
⑤ 歯型を取りマウスピースを作成
通常1週間前後で出来上がります
※ 午前中来院の場合は、当日の夕方にお渡しする即日仕上げも可能 (混雑状況による)
⑥ マウスピースをお口の中にあわせる
適合状態、痛い所がないか確認
⑦ マウスピースとジェルのお渡し
使い方・注意事項を説明
=== 自宅で行う ホワイトニング手順 ===
① きれいに歯磨き
② マウスピースの歯の唇側にジェルを米粒大の量入れる
ジェルはきちんとキャップをし、冷暗所で保管
(冷蔵庫で保管しても大丈夫ですが、凍らせないように注意)
③ マウスピースを歯に装着
ジェルがあふれた場合、ティッシュでふき取る
④ 一日一回2時間を目安に装着する
・ マウスピース使用中は、喫煙・飲み物・食べ物は口にできません
・ マウスピースを強く噛んではいけません
=== 2時間経ったら ===
① マウストレーを外します
② お口を良くすすぐ
歯を磨いてホワイトニングジェルを落とします
③ マウストレーを流水で良く洗う
ジェルが残るようであれば歯ブラシでやさしく洗う
④ 水を切ってケースに入れて保管
=== 1週間後 歯医者で ===
① お口の診査・確認します
歯がしみていないかや痛みが出ていないか
② ホワイトニングの効果の確認
写真を撮って前回の写真と比べます。
③ 必要であれば追加のジェルをお渡しします。
◆効果を最大にするコツと注意点
* 始めた当初はマウスピースに違和感がありますが、3~4日程度で慣れてきます。
* ホームホワイトニングは、毎日2時間使用して1週間位から効果を実感できるようになります
* マウスピースが歯型にフィットしないと、ホワイトニング効果が半減してしまいます
(マウスピースは噛み締めたり、熱湯に浸けるたりすると変形します)
* ホワイトニングの白さを保つポイントは、歯磨きをしっかり行うことです。
* 色は少しずつ後戻りしますので、定期的にホワイトニングを行うと、継続的に白さを維持できます。
* 犬がマウスピースを見つけると噛んでしまいますので、犬を飼っている方は要注意
◆ホワイトニング後の留意事項
・ 知覚過敏症状
ホワイトニング開始後に知覚過敏症状が出た場合は、使用を中止して痛みが消失してから使用を再開するようにします。その場合、回数を減らしたり、処置方法を工夫したりして「痛みを我慢しないように」ホワイトニングを行います。
・ 飲食物の制限
ホワイトニング直後30分〜1時間は飲食自体を控えましょう。また、ホワイトニング後24時間は「着色性の食べ物」「酸性の飲食物」は避けましょう。これはホワイトニングにより、歯の表面を保護しているタンパク質の膜が一時的に消失してしまうため、着色しやすくなっているためです。ホームホワイトニング期間中は、ずっと着色性の食品を摂ることを控えたほうが良いでしょう。
着色性食物:コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーライスなどの色の濃い飲食物
◆ホームホワイトニングの症例