【 3987 】 49歳女性:自転車で転倒 前歯の嵌入(整復して固定)
3987 静岡市葵区千代田 女性
・自転車に乗って転倒、受傷
・上顎の右側中切歯の嵌入
・上顎の右側中切歯の破折
・外傷歯の歯髄の温存
【 39歳 】
初来院時です。定期ケアを希望して来院されました。
その時のパノラマX-ray写真です。
左右の親知らずが横向きに生えかけて 同部に汚れがたまりやすく、手前の第二大臼歯の後面に虫歯になっています。
親知らずは抜歯して、第二大臼歯の後面のむし歯はコンポジットレジン充填を行いました。
【 46歳 】
定期ケアにて安定した状態を保っています。
親知らずによる 第二大臼歯の虫歯治療跡は 歯茎下に及んでいますが、安定した状態を保っています。
【 49歳 :自転車で転倒 受傷 】
前日の夜8:00頃、自転車が障害物にぶつかり 前方に顔からおちて、地面(アスファルト)に上顎前歯をぶつけたそうです。マスクを2重に使用したことが幸いしたのか、口唇には擦過傷は認められません。右上中切歯の先端が少し欠けて ひび割れも認められます。切縁が右上中切歯より低い位置にあります。強い歯の揺れはありません。
関連ページ:Q&A「転んで歯をぶつけると どのような障害 」
その時のレントゲン写真です。歯、歯根の割れは認められません。
診査の結果、右上中切歯のみ 強い力が加わり 骨の中に 陥入してしまったと考えられます。歯自体は、先端に すこし欠けがみられます。
関連ページ:Q&A「歯が歯ぐきに陥入した(めりこんだ) 」
麻酔下にて陥入した右上中切歯を、以前の口腔内の写真を参考にしながら整復して 両隣の歯と固定を行いました。固定は歯に沿わせた針金を接着剤で留めてあります。歯茎が下がってしまっているため、この後 根面を覆うように歯肉を引き上げて留めています。
歯に強いストレスが加わったことで 神経が死んでしまうことが多いのですが、患者さんによく説明をして できるだけ神経を残すように経過をみることにしました 。
固定したあとは、食事も問題なく取れるようになりましたが、しばらくは使わないように 安静にするようにお願いしました。
【 受傷3カ月後 】
受傷後3カ月後の経過観察時の状況です。前歯に違和感を感じることもなく、食事も普通に摂ることもできて ケガをしたことを忘れてしまうくらいだとおっしゃっていました。
陥入した右上中切歯は固定した位置で安定しています。レントゲン上でも歯根吸収や内部吸収などの異常も見られず、心配していた歯髄の影響も無さそうで 患者さんにも非常に喜んでいただけました。
先端の欠けをコンポジットレジンで補修して、今後は定期健診で経過観察してゆくことになりました。
関連ページ:Q&A「コンポジットレジン充填」
関連ページ:Q&A「転んで歯をぶつけると どのような障害 」
関連ページ:Q&A「歯が折れて(かけて)しまった 」
関連ページ:Q&A「コンポジットレジン充填」