【 1761 】 20歳女性 硬いものを噛んで歯が割れた (歯根分割抜歯)
1761 静岡市葵区安東 女性
・高校まで定期ケア
・上の前歯に隙間:成長が進み自然に改善
・むし歯による抜髄処置:左上第一大臼歯
・根管治療中に歯根破折:口蓋根の歯根分割抜歯
【 3歳 】
初来院時です。むし歯のチェックとフッ素を希望して来院されました。
むし歯も無く、噛合せも良好でした。とても上手に治療を受けることができました。
【 6歳 】
小学校に入りました。
6歳臼歯が生えそろって、前歯4本の生え変わりが終わりました。上の前歯の歯間が空いていることを心配しています。
犬歯が生えてくるときに、自然に修正されることもあるため経過観察するようにお勧めしました。
【 12歳 】
中学校に入りました。
左上に乳歯が1本残っていますが、直下に生え変わりの永久歯が存在して揺れています。抜歯を行い、きれいな生え変わりを導くことができました。
以前存在していた上あご前歯に存在していた隙間も 犬歯の生え変わりとともに自然に改善されました。カリエスフリー(むし歯治療が1本もない)の状態で、乳歯-永久歯の生え変わりを終わらせることができました。
高校に入学した後、定期ケアーは途絶えてしまいました。
【 20歳 】
「左上がズキズキ痛む」と来院されました。
左上の奥歯には目立ったむし歯の穴はみとめられませんが、左上の第一大臼歯(矢印)の歯間からむし歯になっている様子が疑われ、歯を叩くと痛みもあります。
レントゲン写真でも、左上の大臼歯が大きくむし歯になっている様子が分かります(矢印)。麻酔下でむし歯を除去中に神経に達してしまったために、抜髄処置を行いました。歯冠のエナメル質が多く残っていたため、極力天然歯質を残すことを意識して治療をおこないました。残っている歯質が薄い為、左側は使わないように特に硬いものには気をつけるように注意を促して抜髄処置を終えました。
仕事が忙しく、予約のキャンセルが続いて抜髄してから1ヶ月したときに、「歯が割れてしまった」と急患で来院されました。はじけていない硬いポップコーンを噛んでしまったそうです。歯質が一部かけて、薄い歯質を補強してあったコンポジットレジンの破断面が見えます。また、残っている歯質にもヒビが入って(矢印)歯根が割れていることが疑われます。
ひび割れているかけらを麻酔下で取り除いた時の写真です。内側の歯根が歯茎下深くまで割れています。頬側の歯根にも歯茎下に割れが及んでおり、歯を残すのが必要な状態です。前後の歯がきれいな天然歯でブリッジにしたくないこともあり、内側の歯根だけを歯根分割抜歯をして頬側の歯根を残す治療を試みました。
抜歯した内側の歯根です。矢印はひび割れていた場所です。
金属の土台を装着したときの写真です。多忙でなかなか、来院できずに2ヶ月後の状態です。抜歯した傷も治ってきています。
最終的な冠がはいりました。被せた冠の幅(内-外方向)が短くなっています。その影響で内側の根元に歯ブラシを当てにくく、その上に歯茎の下に冠の縁が入り込んでいる為、日々のケアに注意するようにアドバイスをしました。
>>関連ページ:Q&A 「歯根分割抜去法(分割抜歯)について教えてください」
>>関連ページ:Q&A 「どんな歯に歯根分割抜去法(分割抜歯)ができるのですか?」