スポーツ中の怪我からお口を守る『スポーツマウスガード』について。
クラブ活動などのスポーツ中に、人や物とぶつかって、歯が折れたり抜けたり、口の中や唇を歯で傷つけてしまうことがあります。
>>関連ページ:Q&A「スポーツでの口や歯のケガ」
そんな悲劇から大切な歯やアゴなどを守るのがマウスガードです。マウスガードは、「マウスピース」あるいは「マウスプロテクター」とも呼ばれます。通常は上あごに装着します。上顎の歯列を被うようなU字型をしています。衝撃を吸収するようやわらかい素材でできています。顎や口まわりへの外からの衝撃を緩和し、歯折(歯を折る)や顎の骨折、お口の中の軟組織のケガを防止する効果があります。近年ではマウスガードを装着することにより 運動能力をUPする効果が注目を集め、その期待から使用する方も増えています。
◆マウスガードの目的および効果
(1)歯の保護(歯が抜けたり 折れたりすることを防止)
(2)唇やお口の中の怪我を防ぐ
(3)あごの骨の骨折を防止・顎関節の保護(衝撃緩和)する
(4)食いしばりによる歯の欠け、ヒビの予防
(5)脳震盪(のうしんとう)や頚椎損傷の防止軽減
(6)けがをしにくい、という安心感により積極的なプレーができる心理効果
◆マウスガードの種類(2種類)
【マウスフォームドタイプ(市販の既製品)】
スポーツ用品店やインターネットで、簡単に手に入れることが可能です。 値段は数百円から数千円です。ご自身で説明書を見ながら作るため、適切な形に 口にぴったりのものをつくるのは大変難しく、適合の悪さは否めません。口を開けるとすぐ落ちてしまったり、厚みで違和感が強く話しにくかったり、つばを飲み込みにくかったり、咬み合せやアゴの位置がずれてしまうと顎関節に悪い影響を及ぼすこともあり、注意が必要です。
【カスタムメイドタイプ(歯科医院でつくる方法)】
オーダーメイドでつくります。歯科医院で歯型とかみあわせをとって本人のお口にぴったり合った、適正な噛み合わせを考慮して作られたものです。保護効果が高く、違和感が少なくつけ心地のよいため安心してスポーツに集中する事ができます。既製品のマウスフォームドタイプより断然お勧めです。一度、歯科医院に相談してみましょう。
◆カスタムメイドタイプマウスガードを作るには
作製には3回程度の来院回数が必要です。ただし、虫歯や歯肉の病気がある場合は、スポーツマウスガードの作製前に歯の治療を終わらせておく必要があります。
〔1日目〕 お口の中を診査して、歯型とかみあわせをとります。
(次回までにマウスガードを作製しておきます)
〔2日目〕 マウスガードを実際にお口の中に装着
適合やかみ合わせの細かな調整、注意事項の説明
〔3日目〕 チェック
実際使用して適合や装着感に気になるところがあれば、再度調整
◆マウスガードの正しい使い方
・ マウスガードは練習の時から
マウスガードは試合の時だけでなく、練習の時から使用するようにしましょう。練習時のけがを防止するのはもちろんのこと、練習でマウスガードに慣れておくと試合でうまく使いこなすことができるようになります。
・ マウスガードは清潔に!
マウスガードは柔らかい素材で、色やにおいがつきやすい性質があります。使用後は水洗いしましょう。時々は義歯あるいはリテーナー用洗浄剤を使用するのがよいでしょう。
・ 保管に注意
マウスガードは熱で変形しやすい素材でできています。お湯につけたり、高温になる場所に放置したりすることは避けましょう。保管状態によっても合わなくなってしまうことがありますので、必ず専用のケースに入れ、つぶさないように保管してください。
・ 定期健診でマウスガードのチェック
口にぴったりあっていないマウスガードでは効果がありません。使用しているとすり減ったり裂けてきたりします。傷んだマウスガードでお口の中を傷つけてしまうことがあります。また、使用する方のお口の中の環境の変化によっても合わなくなってくることがあります。使用していてなんらかの症状がでた時には、歯科医院へすぐに相談しましょう。
◆スポーツマウスガードの費用
スポーツマウスガードは健康保険の適用外です。
◆症例
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