Q&A

歯はどうやってできるのですか?


 

歯はエナメル質、象牙質、セメント質、歯髄(歯の神経)から構成されていますが、これらを創る細胞は一種類ではないのです。複数の細胞がかかわったり、同じ細胞でもそれが分化する過程で別々の組織を創り出したりしているのです。

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◆ 実際に歯はどうやってできるの?

乳歯(子供の歯)と永久歯(大人の歯)は創られる時期が異なり、乳歯はお母さんのお腹の中にいる胎生6~7週、胎長が16mmの時から、上顎の骨の中に10個、下顎の骨の中に10個の歯嚢(しのう)という袋状の組織ができて、その中で創られます。 一円玉が直径20mmですから、それより小さい胎長16mmの時から、歯が創られ始めていることになります。胎生14週、胎長75mm頃になると、将来口の中に生えて噛む役目をする歯冠(しかん:歯の頭の部分)の形に沿って細胞が並びます。エナメル質を創る細胞(エナメル芽細胞)と象牙質を創る細胞(象牙芽細胞)が、将来の象牙質とエナメル質の境目に向かい合って並び、それぞれがタンパク質を生産してエナメル質、象牙質を創っていきます。象牙芽細胞が内側に入っていった所が歯髄(歯の神経)となり、外側にはエナメル質が作られていきます。タンパク質によって歯の形ができあがると石灰化という現象が順次始まり、歯も硬くなっていくというわけです。

乳歯については、生後2~11ヶ月に歯冠(歯の頭の部分)ができあがり、生後3~25ヶ月に歯根(歯の根っこ)を作りながら、歯肉の表面を目指して移動を開始します。そして生後8か月頃に、最初の下顎の乳前歯が生えてきます。永久歯(大人の歯)については、前歯と奥歯の6歳臼歯(第一大臼歯)が、お母さんのお腹の中にいる胎生4ヶ月頃から歯嚢が形成され、同じように歯が創られていきます。そして出産後に石灰化が開始されます。

 

【 乳歯 】

歯種 歯胚形成 石灰化開始 歯冠完成
乳中切歯 :胎生7週 :胎生4~4.5ヶ月 :1.5~2.5ヶ月
乳側切歯 :胎生7週 :胎生4.5ヶ月 :2.5~3ヶ月
乳犬歯 :胎生7.5週 :胎生5ヶ月 :9ヶ月
第1乳臼歯 :胎生8週 :胎生5ヶ月 :5.5~6ヶ月
第2乳臼歯 :胎生10週 :胎生6ヶ月 :10~11ヶ月

(Schour&Massler.1940より)

 

このように、赤ちゃんの歯は生まれるまでにすでに多くの部分がつくられており、前歯においては出生時には歯冠(目に見える白い「歯」の部分)の半分以上が出来上がっています。赤ちゃんの健康で丈夫な歯のためには、いかにマタニティの食生活が重要であるかがお分かりいただけると思います。生まれてくる赤ちゃんのためにも、歯の形成に必要な良質なタンパク質やカルシウム・リンなどの無機質・ビタミンA,Dなどが不足しないように栄養バランスを考えた食事をとるようにしましょう。

歯が生えると同時に、エナメル質を創るエナメル芽細胞が歯の表面から離れて消失します。したがって、歯のエナメル質には再生能力がありません。爪や毛髪は根元の皮膚の中に細胞があり、細胞が機能している限り生え続けます。しかしエナメル質は、いわば爪や毛髪の先端部分と同じで、エナメル質を創る細胞が存在しないため、傷ついても自己修復ができないのです。だからむし歯で欠損が起きた場合、削ってつめるしかないのです。

一方、歯髄と象牙質が接している所(歯髄の一番外側)にはずっと象牙芽細胞が並んでいます。大人になっても、特にムシ歯など外からの刺激を受けたときなどは、象牙質を作ってより歯髄を細く、象牙質の厚みを増して行こうとします。つまり歯髄が生きている限り、少しずつですが、歯の成長(変化)は進行しています。



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みまつ渡辺歯科医院

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