妊娠中にお薬を服用して赤ちゃんに影響しませんか?
お子さんを計画している場合は、できることならムシ歯や歯周病治療は妊娠前に済ませておきたいものです。それでも 妊娠中に歯が痛くなったり 腫れてしまったりしたときに、どんな薬なら飲んでも良いのか、おなかの赤ちゃんに影響は無いのか、お母さんにとって一番知りたいところでしょう。
ところが多くの医薬品添付文書(説明書)には、「妊娠中の投与に関する安全は確立されていないので、妊婦または妊娠の可能性のある婦人には投与しないこと・治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にだけ投与する」と書かれています。つまり、胎児に対し100パーセント安全とは 書かれていないのです。
実際に、種類によっては 妊娠中には飲んではならないというお薬や、妊娠末期には服用してはならないう薬もあります。また、お子様の歯の色を変色させるなどといった副作用のある薬もあります。しかしすべての薬剤が危険であるというわけではなく、実際には、臨床である程度長期間使用され、事故の報告が無く、理論上も危険が少ないとされているものを選択することになります。
薬剤アレルギーがなければ、抗生物質または抗菌剤では、妊娠中を通じて比較的安全なペニシリン系やセフェム系を第一選択とします。また鎮痛剤であれば非ピリン系のアセトアミノフェン(商品名 カロナール)などは安全だと言われています。
お母さんの体と おなかの赤ちゃんへの影響を考えると、できれば お薬は飲まない方がよいと思われます。実際 「痛くても我慢します。」という妊婦さんが、かなりいらっしゃいます。おなかの赤ちゃんのためなら痛みなど我慢するという すばらしい心構えですが、痛み自体がおなかの赤ちゃんに悪影響を及ぼす危険もあります。軽い痛みならともかく、あまりひどいようであれば 受診したうえで医師の指示に従って 早めに服用するのがよいでしょう。