赤ちゃんに生えてくる歯の虫歯予防の為に、何を気をつけたらよいでしょうか？
「生まれてくる赤ちゃんが健康で、むし歯の無い子供に育ってほしい!!」このことは、妊婦さん、ママさんの願いでしょう。お子さまの将来のお口の健康、虫歯予防は、お子様が生まれる前から始まっています。妊娠が分かってお母さんになったら、赤ちゃんのすこやかな成長と 丈夫な歯のために、お子さまのお口の健康を考えましょう。
むし歯は感染症です
ミュータンス菌は、口の中に住んでいる細菌でむし歯菌の一つです。ミュータンス菌が、食物中の糖分を分解して、グルカンというネバネバ物質を作りだして歯にくっついて（プラーク：歯垢）、歯を溶かして虫歯にしてしまいます。
歯が生える前の赤ちゃんには、むし歯菌はいません
このむし歯菌である「ミュータンス菌」は、生まれたばかりの歯のない赤ちゃんのお口の中には存在しません。どこから生まれてくるのかというと、実は、お母さんをはじめ家族や周りの人の口の中にいたミュータンス菌が唾液を介して感染してしまうのです。赤ちゃんが小さい時はうまく食べられないために口移しで食べさせたり、スプーンなど直接お口に入れる食器を親子で一緒に使って食べさせたりすることも多いと思います。また、キスなどのスキンシップなどでも感染すると言われています。
◆ ミュータンス菌は 唾液を介して うつります
◎食べ物の口うつし 
◎大人が使った食器 
◎キス 
赤ちゃんへの感染予防
乳歯の奥歯が生えてくる生後1歳半から3歳はもっともむし歯菌に感染しやすい危険な時期を「感染の窓」と呼ばれています。この時期に注意しておかないと、むし歯菌の感染をすすめてしまいます。実際に3歳くらいまで虫歯菌の感染を避けることができれば、永久歯が虫歯になるリスクがかなり軽減されることが報告されています。
◎「ミュータンス菌」をうつさない
・口移しをしない
・赤ちゃん専用のスプーンやお箸を用意する
◎お母さん自身の「ミュータンス菌」を減らす
・お母さんのむし歯治療や予防
◎ 赤ちゃんの歯が生えたら、微量のフッ素塗布を行う
妊娠中から、赤ちゃんのむし歯予防
ミュータンス菌がお口の中に一度入り込んでしまうと、完全に取り除くことはできません。お子さんとのスキンシップもとても大切です。大事なことは、虫歯菌をお子様にうつさないよう気を配ることです。妊娠中からお母さまを含む家族のお口をむし歯菌が少ない環境にすることで、赤ちゃんのお口にむし歯菌をの感染を防ぎましょう。
◎ 歯科医院でできること
１、虫歯の治療をきちんと終わらせる
２、歯石を取り除く
３、PMTCなど お口の中をクリーニング
＞＞詳細はクリック： 『 妊娠中の歯科治療 』
◎ ご自宅でできること
１、 毎食後にキシリトールを摂る
２、 毎日のしっかり歯磨き
３、規則正しい食生活を心がける
４、バランスよい食生活
＞＞詳細はクリック： 『 赤ちゃんの強い歯を作る 』
「妊娠中は治療しないほうがいいって聞いたので、歯が痛くても出産までは我慢…」「妊娠中に虫歯になるのは仕方ないって聞いた」など、妊婦さんや出産直後のお母さんからよく聞く声です。よく重症になるまで虫歯などを放置する妊婦さんもいますが、お子様を虫歯にさせないためには、お子様だけでなく、家族みんながお口を綺麗にしていくことが大切です。きちんと治療を終らせておきましょう。また、お子様が生まれてからも、親子で定期検診にご来院ください。お母さんを始めとする周囲の人が虫歯治療・予防しておくことが、子どもが虫歯のならないためにも とても重要といえます。
