どうして歯周病になってしまうのでしょうか?
◆歯垢(プラーク)って何?
口の中には300~500 種類、数億個以上の細菌が住んでおり、実は細菌の数は肛門よりも多く、口の中は人間の体の中でもっとも多くの細菌が住んでいるのです!
これらの口の中に存在(住んでいる)細菌は普段あまり悪いことをしませんが、ブラッシングが充分でなかったり、砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっついて『歯垢(プラーク)』を生じます。この歯垢(プラーク)1mg の中には10 億個の細菌が住みついていると言われます。
つまり、『 プラーク(歯垢)=細菌の塊 』です。
この歯垢(プラーク)の中に存在する歯周病の原因菌が、
歯ぐき(歯肉)の炎症を起こしたり、歯の支えの骨(歯槽骨)を溶かしていくのです!
歯垢(プラーク)自体は黄白色をして歯の色と変わらない為、歯を見ただけでは 歯垢(プラーク)が付いているかは分かりません。歯の表面をこすったり触ってみて、ネバネバとした粘り気のある黄白色の物質があればそれは歯垢(プラーク)です。
歯垢(プラーク)は粘着性が強く、うがいをした程度では落とすことができません。毎日毎日、きちんと歯磨きをして落とさなければいけません。歯科医院では、『歯垢染色液』というものを使用し、実際に歯垢(プラーク)がどの歯にどれほど付いているか?を調べます。歯磨きをしていても歯垢(プラーク)が歯に付いているということは、『歯垢(プラーク)が付着している=磨き残しがある』ということです。歯の周りに付いた歯垢(プラーク)を磨き残したままにしておくと歯ぐき(歯肉)が炎症を起こし、歯肉炎になります。さらにそのままにしておくと、歯ぐき(歯肉)だけでなく支えの骨(歯槽骨)が侵され、歯周炎へと悪化してゆきます。
◆歯ブラシで除去できない歯垢(プラーク)
歯垢(プラーク)が歯に付いただけであれば、正しい歯磨きで取り除く事ができます。歯周病になってしまい、『歯周ポケット』が深くなってしまうと歯垢(プラーク)が歯周ポケットに溜まりやすくなるうえ、歯ブラシが歯周ポケットの中まで届かない為、いくら丁寧に歯磨きをしても完全に取り除く事が出来なくなります。
つまり、歯周ポケットが深くなった状態になると、「歯科医院で専門クリーニングを受けなければドンドン歯周病の症状が進行してしまう」という悪循環となってしまうのです!
◆歯石とは何?
歯石とは歯周病の原因である歯垢(プラーク)が、唾液中に含まれるカルシウムと混ざって硬く固まったものです。歯垢(プラーク)の段階であれば丁寧に、そして正しい歯磨きをすれば歯の表面から歯ブラシで除去する事が可能なのですが、歯石は非常に強固に歯に付きますので歯磨きでは除去する事が出来ず、歯科医院でスケーラーと呼ばれる専用の器具を使って専門的にクリーニングしてもらうしかないのです
ではどれくらいで『歯垢(プラーク)⇒歯石』になるのでしょうか?
これは個人差があるため一概には言えませんが、2 日もあれば『歯垢(プラーク)⇒歯石』になるともいわれていますので、毎日の歯磨きで確実に歯垢(プラーク)を落として、歯石にならないようにする事が大切です!
歯垢(プラーク)は歯周病の最も大きな原因ですが、実は歯石自体は歯周病の原因ではないのです。歯石自体は歯垢(プラーク)に唾液中に含まれるカルシウムと混ざることによって、細菌が死んで固まった(石灰化した)ものなので、歯石自体が直接歯ぐき(歯肉)の炎症を起こしたり、歯の支えの骨(歯槽骨)を溶かしていく、歯周病の原因とはなりません。
しかし歯石の表面は非常に凸凹しているため歯垢(プラーク)が付きやすく、付いている歯垢(プラーク)を除去しにくいという特徴があるため、歯石を除去せず放置していると歯石の周りに歯周病の原因菌である歯垢(プラーク)がたまりやすくなってしまいます。つまり、歯石は直接、歯周病の原因とはならないものの、間接的に歯周病に大きく関わっているのです!
食べ物を食べれば歯垢(プラーク)が歯に付いてしまう事は仕方ないのですが、歯垢(プラーク)は歯磨きで落とすことができるで、歯周病を予防するには日頃からの歯磨きが非常に大切になります。
しかし、歯磨き困難なポケットの中の掃除や歯石のクリーニングの為に、最低でも半年に1 回、できれば3 ヶ月に1 回は歯医者で定期健診を受けて歯石が付着していないか?付着している場合は歯石を除去してもらう事が歯周病予防には非常に大切なのです!そして定期的に歯科医院で健診を受け、歯石の専門クリーニングを受ける事が歯周病予防につながります!