矮小歯(わいしょうし)とは、歯の大きさが通常の歯と比べて、非常に小さい歯のことを言います。歯冠が委縮した形態をしており、円錐状、蕾状の形をしています。
◆ 好発部位
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歯並び全体が小さな歯になっている場合もありますが、多くの場合は、歯並びの中に1~2本程度現れることが多くあります。上顎側切歯(前歯正面の隣の歯)や第三大臼歯(親知らず)、過剰歯と呼ばれる余分に生えている歯などに多く見られます。乳歯の上下顎の側切歯(乳側切歯)にも見られます。上顎の側切歯の矮小歯で歯冠が円錐形をしているものを「円錐歯」、親知らずで歯冠がつぼみ状の形をしているものを「蕾状歯」と言います。
◆ 矮小歯の原因
歯全体が小さい場合は、下垂体性小人症やダウン症候群、また 顎骨が大きいために相対的に小さく見える場合などがあります。
本数が少ない場合は、炎症、外傷、栄養不足、遺伝が原因とも言われていますが、原因はよく分かっていません。食生活の変化などによる「歯の退化現象」だともいわれています。矮小歯の発生頻度の高い上顎の側切歯、第三大臼歯は元々退化傾向の強い歯であるため、矮小歯の出現頻度も高いと考えられています。(これらの歯は「先天欠如」となる頻度も高い )
◆ 矮小歯による問題
* 審美障害
・ 本来の歯の形・大きさでないことによる審美障害
・ 歯が小さいために空隙歯列(すきっ歯)となる可能性
* 噛み合わせの不具合
・ 矮小歯の存在により、上下或いは左右の歯列の大きさのアンバランス
* 歯の寿命が短くなる可能性
・ 歯の根の長さや大きさが小さい為、よわい
◆ 矮小歯の対応・治療方法
これら歯の形態的な問題は、障害が引き起こされないことも多く、機能的、審美的に不満を感じなければ、そのまま使うことも可能です。気になる場合、矮小歯に対して最も多くとられている治療法は、被せ物による審美的な面での治療になります。
1.歯列矯正
矮小歯が原因のすきっ歯の場合、矯正治療で歯を動かして隙間を改善する方法があります。矮小歯の形態は変えずに動かして行きます。上下のバランスを揃えるなど、歯列不正の程度、内容により、抜歯をして矯正する必要があるケースもあります。矯正治療をする上できちんとした専門家による検査・診断が必要になります。
2.矯正治療に修復治療
すきっ歯や叢生など歯並びが悪い場合、歯を動かす矯正治療をしていき、矮小歯も正しい位置に動かした後に最終的にセラミックやレジンの治療をして審美的にも機能的にも改善する組み合わせ治療です
3.修復治療
矮小歯の両側の隙間や形態のみ改善する場合は、ラミネートベニアと言って歯の表面をわずかに削ってセラミックを貼り付ける方法がや、歯の全周を削って被せ物を被せる方法があります。
4.レジン(プラスチック)修復
矮小歯にプラスチックを直接つけて歯の形や隙間を修正する方法(コンポジットレジン充填)です。1回で終わります。ただし、プラスチックは経時経過によりでに劣化や変色はおきてきます。
5.その他
形態、大きさに異常があっても 噛み合わせ、機能面で問題ない場合もあります。見た目が気にならなければ、その他の歯と同様にお手入れしながら経過観察します。
矮小歯は比較的多くの方に見られます。自分にあった治療方法を専門家に相談して 悩みを改善して下さい。小さくて悩んでいた歯がきっと生まれ変わります。
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