ホワイトニングでは、どのように歯が白くなるのでしょう
歯のホワイトニングとは、歯質を切削せずに化学的に歯を白くすることです。化学的な薬剤の作用によって、歯の色は黄色みや赤みが少なくなり、同時に明るさが増して、白く明るい歯になります。

 

 

 

 

 


◆ 歯が白くなるメカニズム

ホワイトニング材のなかに含まれる過酸化水素、または過酸化尿素の作用で、歯のなかに存在する有色物質が分解されて、歯が白くなります。

 

 


 


 【 過酸化水素 】
過酸化水素は、金属や光、熱によって容易に分解して、ヒドロキシラジカルとヒドロキシペルオキシラジカルの、2種類のフリーラジカルを生じます。この過酸化水素から生じるフリーラジカルが高いエネルギーをもち、エナメル質表面から浸透して 歯の内部で自由に動き回り着色物質を分解します。フリーラジカルは象牙質にまで到達するので、テトラサイクリン着色歯のような象牙質に着色物質が存在する変色歯に対しても、ホワイトニング効果が期待できます。

過酸化水素からフリーラジカルをより多く発生させるためには、過酸化水素の濃度を上げる、温度を上げる、光を当てる、アルカリ性にする、金属触媒を添加するなどがあります。

 

 【 過酸化尿素 】
過酸化尿素は、国内で認可を受けているホームホワイトニング材の主成分で、尿素と過酸化水素が弱く結合した物質です。唾液中の水分との接触と体温により、尿素と過酸化水素に分解します。過酸化尿素の濃度の約1/3が、過酸化水素の濃度に相当します。10%の過酸化尿素は、3.6%の過酸化水素に換算できますので、過酸化水素よりも穏やかなホワイトニング効果があり、粘膜への影響も少なくなります。

 

 

 

 

患者さんが勘違いしがちなこと
患者さんがTVタレントの セラミックやラミネートベニア等の被せ物の治療で白くなっている治療を、ホワイトニングと勘違いして来院される場合があります。ホワイトニングと被せ物による治療は、まったく異なる方法だと理解して治療を始める必要があります。被せ物による治療と ホワイトニングでは得られる白さが異なること、ホワイトニングは後戻りがあること等、術前にきちんとメリット、デメリットを十分理解して治療を開始することが大切です。

>>ホワイトニングのメリット、デメリット

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