◆ 歯の外傷
歯に強い衝撃が加わると、破折したり(割れてしまう)、位置がずれたりします。抜けた歯は早急に正しい処置をすれば元通りになる可能性があります。歯の破折には、歯ぐきから上の部分が割れる歯冠破折と根の部分が折れる歯根破折があります。歯冠破折の中には歯の一部が欠けたものから、 歯の神経が露出して大きく破折したものまで様々であり、治療方法もその状態に応じて異なります。
◆ 歯が抜けてしまった場合
抜けた歯をなるべく探しましょう。
肝心なのはその後です。抜けた歯の根の部分には触れてはいけません。また、地面や床に落ちて汚れていても、歯をすすぐのは水道水で数秒間、軽く汚れを落とす程度にしてください。絶対にゴシゴシこすらないこと。
歯の周りには歯根膜という繊維組織があって、歯を歯ぐきやその下の骨につなぐ役目をしています。いわばこの膜の状態の良否が歯を元通りにくっつける鍵になります。ですから、乾かしたり、こすったりすると歯根膜が無くなってしまい歯を助けることが困難になります。
その後は小さな容器に生理食塩水または牛乳を入れて歯を浸すか、水(唾液でもかまいません)を含ませたガーゼなどにくるんで乾かさないようにして直ちに歯科医へ行きましょう。(乾かすことは絶対に避けなければいけませんが、水道水には消毒薬が入っている為、長時間さらしてしまうとこの膜が傷んでしまうと言われています)明暗を分けるのは受傷後の30分です。できるだけ早く歯科医院にで処置を受けましょう。
◆ 歯が歯肉に残っていてぐらぐらしている
抜けたり欠けたりしていなくても、歯が歯肉に残っていてぐらぐらしている場合は、抜かずにそっと指で押して元の位置に戻し、そのまま安静にして、出来るだけ早く歯医者さんに行ってください。そのまま歯科医へ行きましょう。
>>グラグラ揺れて痛い
◆ 歯が大きく欠けた場合、
歯にくるまれていた神経が顔を出してしまうことがあります。神経は痛みに敏感なため、できるだけ外気、唾液、気温の変化にさらさないようにしましょう。露出した神経は放置せず、必ず歯科医の治療を受けましょう。
歯が欠けた場合も、歯のかけらを見つけることができれば探して、なるべく歯科へ持って行ってください。うまくお口の中に戻るようであれば、破片を元の歯に接着して治すこともできます。
そして、 出来るだけ早く歯医者さんに行ってください。
>>歯が折れてしまった
◆ 歯医者さんで伝えてほしいこと
もしも、お母さんが外傷を受けた現場を見ていないようであれば、次のことを周囲の方に聞いていただき、来院時に伝えていただけるとよいと思います。
★ 受傷の時刻:(受傷から処置までの時間が予後に影響する。)
★ 受傷の場所:(不潔な場所での受傷には感染を考慮。)
★ 受傷の方法:(衝撃の方向や大きさから外傷の程度を推測できる。)
★ 外傷時の意識不明、記憶喪失、嘔吐、頭痛の有無を確認:(脳への損傷を疑い、脳外科を紹介)
いずれにしても、外傷を受けたら強い症状は無くても、早めに歯医者さんの診察を受けることをお勧めします。
◆ スポーツマウスガード
スポーツの外傷から歯を守るのに最も効果的なのは、マウスガード(マウスピース)の着用です。
また、マウスガードは歯の保護だけでなく、顎骨にかかる打撃や外力などが、頭部へ直接伝わらないよう吸収する大事な役目があります。
市販またはカスタムメイドのマウスガードの使用が奨励されています。
一度歯科医院で相談されたらいかがでしょうか?
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