歯磨きのタイミングについて教えてください。食後すぐの歯磨きはNGと聞きました 

子供の頃から 「食べたら すぐ歯磨きして 虫歯の予防をしなさい」 と 親に言われていて、素直に従っていた人も 少なくないでしょう。確かに 食後の歯磨きは、口の中に残った食べカスも すっきりと取れて 気持ちがいいものです。しかし、最近では、虫歯の予防という観点からすれば 「食後の歯磨きは逆効果」と言われています。

 

◆ 酸性の食べ物が歯を溶かす
「コーラ」によって歯が溶けてしまうということは ご存知かもしれませんが、その他にも 体を思って毎日とる黒酢や かんきつ類、夏の熱中症予防に小まめに飲むスポーツ飲料など、程度の差はありますが 酸性の食べ物や飲み物は 意外に多ので、習慣的に食べたり 飲んだりしている方は 、気づかないうちに歯を傷めている可能性がありますので 注意が必要です。

 

 

 

 

◆ 歯の表面では 脱灰‐再石灰が繰り返されている
むし歯菌は、歯の表面に付着しているプラーク(歯垢)に 多く存在しています。食べ物や飲み物などの栄養が お口の中に入ると、プラーク中のむし歯菌は活動を始めて 酸を放出します。また、食べ物や飲み物自体の酸性の飲食物の酸により、エナメル質が溶かされて歯の表面からミネラルやイオンなどが流れ出てしまうのです。これが「脱灰(だっかい)」と呼ばれる現象です。


しかし、ずっと脱灰したままというわけではありません。食事によって歯の表面が脱灰(溶ける)されても、食後に唾液の中に溶け出たイオンやミネラルが、再び歯の表面に戻って、溶かされた歯の表面は修復されるのです。このことを「再石灰化(さいせっかいか)」と呼んでいます。


脱灰-再石灰化は、食事のたびに繰り返されているのです。

 


 

 

 

◆ 食べたすぐ後の歯磨きは逆効果!?
食べた後は口の中が酸性になっていて歯の表面を保護しているエナメル質が弱くなった状態になっています。この時に研磨剤の入った歯磨き粉を付けてゴシゴシと強く磨くと 歯の汚れを落とすどころか、歯の表面のエナメル質を、傷つけてしまう恐れがあるのです。


食後すぐの歯磨きが虫歯予防に逆効果なら、いったいどのタイミングで歯磨きするのが虫歯予防に効果を発揮するのでしょうか?唾液の中和によってエナメル質が再び硬くなるまでに、30分ほどの時間がかかることが最近の研究でわかってきました。つまり、この30分の間に歯磨きをしてしまうと、軟らかくなったエナメル質を削り落としてしまう可能性があるのです。かつては、食後すぐの歯磨きが推奨されていましたが、現在では 30分はゆっくりと食後を楽しんだ後に 歯磨きをした方が良いと言うことです。


そうは言っても、忙しい日々を送る現代人にとって 食後に30分もゆっくりなんてしてはいられないものです。特に朝、出勤前の30分は貴重な時間ですが、「食後すぐには磨かないほうが良い」ということを まずは意識することが大切でしょう。


歯のことを気遣うのであれば 口の中が酸性の時間はできるだけ短くするように心がけましょう。ダラダラとする飲食を控える、飲食後は水やお茶で口の中を軽くすすぐ、などといった予防策があります。唾液にはカルシウムが含まれていて、歯の再石灰化を促進させる作用があります。また、唾液は弱アルカリ性で、分泌されればされるほど口内を中和し、Ph値をアルカリ性に近づけていきます。食事中は口内が酸性になるので、唾液が出るようによく噛んで食べることが歯の再石灰化を促します。


歯を磨くタイミングだけではなく、回数についても常識は変わりつつあります。口の中の食べカスが歯垢になるまで48~72時間かかることも分かっています。よく「毎食後すぐに3分間」といわれていますが、「なんとなく3回磨くよりも1日1回、特に寝る前に口の中から徹底的に汚れを出すことを心がけることが大事」なのです。

 

個人的には、歯磨きのタイミングや回数は あまり神経質になりすぎる必要は無いと思います。よっぽど偏った食生活や、誤った歯磨き方法でなければ、歯に大きな影響を及ぼすことはありません。歯周病予防、ムシ歯予防のために一番大切なことは、細菌の固まりであるプラークを 歯や歯茎を傷めない正しい歯磨き方法で確実に落とすことです。いちど歯医者さんにチェックしていただき、アドバイスをしていただいたらいかがでしょうか?
 

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