顎や顔面周囲のケガの原因は 交通事故が原因の一番目にあるのですが、階段などでの転倒や転落についで スポーツが3番目になっています。その割合は およそ10人に1人といわれています。男女の割合は男性に多く、その比率は3~4:1です。年齢はクラブ活動や体育の授業と、最もスポーツをさかんにする年代の10代が最も多くのケガをしています。
◆ どんなスポーツで?
ふつうはラグビーや アメリカンフットボール、ボクシング、空手 あるいは 格闘技のようなスポーツがイメージとして浮かぶと思います。このようなコンタクトスポーツ(相手と接触するスポーツ)でケガをしやすいことは確かなのですが、実際には相手と接触するほかに、野球のボールやバット、ラケット等の器具 あるいは グランドやコートでケガをすることもあります。
(1) コンタクトスポーツ(相手と激しくぶつかるスポーツ)
アメフト、ラグビー、サッカー、バスケ など
(2) 格闘技のようなスポーツ
ボクシング、空手、少林寺拳法、柔道、レスリングなど
(3) 器具がぶつかる可能性のあるスポーツ
野球、ホッケーなど
(4) 転倒により、顔面をぶつけてしまうスポーツ
体操、陸上、スキー、スケートなど
(5) 歯に強い力のかかるスポーツ
ウェイトリフティング、綱引きなど
◆ 外傷を受けたら?
スポーツ時の口のケガとしては、唇や頬(ほほ)、舌が切れるなどの粘膜、皮膚の軽症のものから、歯が欠ける・折れる・抜ける、顎の骨が折れるなどなどの重症のものまでいろいろあります。一番ケガをしやすいのは、上顎前歯部です。前歯を打って痛みを生じたり(打撲)、歯が折れてしまったり(破折)、ぐらついたり(脱臼)、ひどい場合には抜け落ちる(脱落)こともあります。あまりに激しくぶつかってしまうと 歯だけでなく 顔や顎の骨が折れてしまうことさえもあります。
それぞれのケガに対する処置は異なります。早期に 適切な処置を施すことによって、歯を残すことも可能ですので 外傷を受けたら早期にご来院ください。
関連ページ:Q&A
「転んで歯をぶつけると どのような障害がありますか? 」
「歯をぶつけた後、グラグラ揺れて痛い 」
「転んで歯を打ってしまい 抜けた場合、どのような対応が必要でしょうか? 」
「転んで、歯の根が割れて(折れて)しまいました」
「転んで歯を打ってしまい、歯が折れてしまったのですが・・・」
「以前、転んで打った乳歯が変色してきました。 」
◆ 外傷を防ぐには?
マウスガードをはめることで、スポーツ歯科外傷の多くを防止できたり軽減できたりすることが可能です。マウスガードは、「マウスピース」あるいは「マウスプロテクター」とも呼ばれます。通常は上あごに装着します。上顎の歯列を被うようなU字型をしています。衝撃を吸収するようやわらかい素材でできています
関連ページ:Q&A 「『マウスガード』ってなに?」
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