現在、ホワイトニングとは、「白い歯にする」という広い意味で、オールセラミッククラウンやラミネートベニアなどの歯に被せ物治療から、コンポジットレジンによるダイレクトボンディング法(詰め物)、歯の漂白(ブリーチング)、PMTC(クリーニング)などを含む意味と、歯の漂白のみを示す狭い意味があります。歯の漂白とは、歯質を切削せずに化学的に歯を白くすることです。化学的な薬剤の作用によって、歯の色は黄色みや赤みが少なくなり、同時に明るさが増して、白く明るい歯になります。
◆ ブリーチングとホワイトニング
ホワイトニングが普及し始めた当初は、ホワイトニングではなくブリーチングと呼ばれていました。ブリーチングという言葉は、塩素系の漂白剤で衣服を白くするという印象があるため、もう少しやわらかい表現の、ホワイトニングという言葉が使われるようになり 浸透してきました。さらに、そのなかでも、とくに有髄歯のホワイトニングを指して使用される場合が多いです。ホワイトニングには、診療室で行うオフィスホワイトニングと、患者さんが自宅で行うホームホワイトニングの2種類があります。
◆ ホワイトニングの適用範囲と効果
歯を白くしたいという希望の患者さんが来院されたとき、クリーニングによって歯の表面のステイン除去を行っても満足されない場合、次に提案できる方法がホワイトニングです。
有髄歯で、なおかつ詰め物や被せ物(ラミネートベニアやコンポジットレジンによるダイレクトボンディング)などの処置がされていない歯に対しての適応となります。詰め物(コンポジットレジン修復)がなされている歯でも、部分的であればホワイトニングの適応となります。正しい知識・技術のもとで行えば、患者さんのもって生まれた歯そのものを美しくする方法として、ホワイトニングは審美歯科治療のなかで最もはじめに、最も簡単に始められる選択肢となります。また、歯の変色により 歯茎の黒ずみがあるような場合は、被せる治療をする前に歯をホワイトニングしておくことはとしても有用です。
歯の変色による 歯茎の黒ずみの改善
患者さんの中には、もともと歯の色が濃い方もいれば、加齢とともに黄色くなってきたと感じる方もいます。どちらも歯を白くすることによる自信の回復が、新たな人生の一歩の助けとなるでしょう。ホワイトニングにより口元のコンプレックスを解消することで、明るい笑で、思いきり会話と食事を楽しみましょう。
◆患者さんが勘違いしがちなこと
患者さんがTVタレントのセラミックやラミネートベニア等の被せ物によって白くなった治療を、ホワイトニングと勘違いして来院される場合があります。ホワイトニングと被せ物による治療は、まったく異なる方法だと理解して治療を始める必要があります。被せ物による治療と ホワイトニングでは得られる白さが異なること、ホワイトニングは後戻りがあること等、術前にきちんとメリット、デメリットを十分理解して治療を開始することが大切です。
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