抜歯しないように 助ける治療方法
歯は「歯槽骨」という骨の中に 埋まっています。虫歯や歯が割れた場所が、歯茎の下のこの歯槽骨近くまで達してると、治療が困難になります(通常の治療方法では抜歯になってしまいます)。歯を残すには、歯槽骨に埋まっているところから 3mm以上の、歯茎の上に健康な歯質が 残っていることが必要なのです。それより残っている歯が少ないと、歯茎が歯に付く場所がなくなるからです。しかし「エクストルージョン」という方法や、「クラウンレングスニング」(歯冠長延長術)という方法で 健康な歯の部分を 歯肉の上に出すことが出来れば、歯を抜かずに残すことが可能な場合もあります。
(症例によっては抜歯になることがありますので、しっかりした診査、診断が大切です。)
◆◆◆ 歯茎下までむし歯が及んでいる場合の治療方法 ◆◆◆
(1) エクストルージョン
歯肉の下に むし歯や 歯の割れが及んでいる場合に、矯正で 歯を引っ張り出すことにより 歯茎の下のむし歯や歯が割れている部分を 歯肉の上に出す治療法のことです。残すのが難しい歯を抜歯しないようにする治療法です。
(2) クラウンレングスニング(歯冠長延長術)
クラウンレングスニング(歯冠長延長術)とは、歯茎や歯槽骨を少し下げることによって(歯周外科)、その下にあるむし歯や歯が割れている場所を歯肉の上に出す治療法のことです。残すのが難しい歯を抜歯しないようにする治療法です。
(3) 歯肉切除術
根の破折が歯茎の下に及んでいたとしても 浅い位置の場合は、歯茎をメスやレーザーで切除(切って取り除く)する治療によって、破折している部分に 被せ物や詰め物を入れることが可能になり、再び歯の機能を取り戻すことができます。しかし、付着歯肉(歯茎の幅)が少ない場合や、割れた位置が深い場合は治療ができません。また、無理に歯肉を下げるために 歯と歯肉のバランスが悪くなり 歯磨きがしにくくなったり、審美性の問題が出てくることがあります。
(4) 抜歯
歯の状態によっては、上記の治療方法を用いても残すことはできません。そのような場合は抜歯して、ブリッジや取り外し式義歯、インプラントで、歯の無い部分に歯を作る治療を行います。
抜かずに治療するのが困難な場合は、たとえば
① むし歯が大きくなって健全な歯質が薄く、十分な強度が無い場合
② 歯の支えが少なくて、支えきれない場合
③ 無理に残そうとすると、隣に歯の犠牲が大きくなってしまう場合
④ 処置により大臼歯の根の股が露出してしまう場合
などのような状態の歯は、抜歯が必要になってしまいます。
症例によって歯の状態、噛み合せの状態は違います。かかりつけの歯医者さんに、実際のお口の中の状態を、しっかりした診査、診断をして頂くようにしましょう。
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